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小林よしのり
2021.8.21 08:07日々の出来事

ギャグ漫画について

今日も『よしりん辻説法』のコンテ続行。
ギャグ漫画はリズムだし、一コマから一コマへの
移行にアイデアが要るから、結局コンテだけで
1週間かかってしまう。

20代は週刊誌で連載してたのだから、3日で
コンテを描いていたわけで、睡眠時間を削る
しかなかったから、今じゃ絶対に無理である。
それにしちゃ儲からなかった。
ギャグ漫画は消耗だけ激しくて利益が少ない。

しかし、創作・表現をする欲望が続く限りは、
望まれるならば描く、望まれないならば止める、
それだけでやっていくしかない。

千葉真一が82歳で亡くなったから、わしもあと
10数年しか生きられない。
アフガン・イラク戦争は20年間もかかって米軍が
撤退した。
あの時論争していた岡崎久彦や渡部昇一らの
大御所や、共闘していた西部邁は、とっくに世を
去った。

残りの人生を考えながら、今何を描くべきかを
考えていかねばならない。
『コロナ論』は全く想定外に描かねばならなくなった
作品だが、これはこれで歴史的大著になるだろう。
壮大な幻想の世界が出現して、なんと2年間も
無駄な喧騒が続いたことを、歴史に描き残すのが、
やはりわしの使命の一つだったのだろうから、
とりあえずコロナ禍の終焉まで描き残しておくしか
ない。

10年も経てば、わしの死期が近づく頃に、若者が
『コロナ論』を読んで大笑いしているかもしれない。
つまり『コロナ論』シリーズこそが、壮大な歴史的
ギャグ漫画なのかもしれないのだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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